女神異聞録 ペルソナ
発売日 ’96.9.20




窓から見える景色は、今日もいつもと同じ。
ただ、屋根が並んでいるのが見えるだけ。
そういえば、木の葉の色が変わったような気がする。
もう長い間、四角い景色しか見ていないな、私。

昨日も稲葉君はお見舞いに来てくれた。
クラスの話とか、たくさんしてくれたなぁ。
楽しかった。うれしかった。
うれしかったけど。うれしかった、けれど・・・。

今朝、また夢を見た。最近よく見るいつもの夢。
なんだか幸せな気分になる夢。目が覚めると憶えていないんだけど。
優しい男の人がいて・・・。
もしかして、私のお父さんってあんな人だったのかな?

そろそろ看護婦さんの来る時間。
今日もいつもと同じことの繰り返し。
私、いつになったらここを出られるんだろう?
私、いつになったら自由になれるんだろう?
私・・・。私・・・?
私って、なんで生きているんだろう・・・?
● ソフト紹介

  発売は1996年9月20日。プレイステーションのソフトで、ペルソナシリーズの第1作目となります。
  この「ペルソナ」はメガテンシリーズというより、ペルソナシリーズという別のシリーズと考えた方がわかりやすいかもしれません。ペルソナシリーズではメガテンの要素を少しですがもちつつも、さまざまな新しい試みがされています。
  御影町にある聖エルミン学園に通う高校2年生の少年、それがこの物語の主人公です。物語は主人公とそのクラスメイト達が「ペルソナ様」遊びをするところから始まり、やがて学校や街をさまざまな異変が襲います。主人公とクラスメイト4人の、 異世界と化した御影町での闘いが始まったのでした。ちなみに、この「ペルソナ」には2つのストーリーが存在し、それぞれグッドエンディングとバッドエンディングがあります。
  関連物として、攻略本やワールドガイダンスなども出版されました。その他、コミックスも出版されています。
    女神異聞録ペルソナのすべて(アスペクト)
    女神異聞録ペルソナ 手とり足とり公式ガイド(アスペクト)
    女神異聞録ペルソナ公式ガイドブック(アスペクト)
    女神異聞録ペルソナ倶楽部(アスペクト)
    ペルソナワールドガイダンス(ソフトバンク)
     *ワールドガイダンスは、この後発売された「ペルソナ2罪」「ペルソナ2罰」もあわせた内容となっています。

● 女神異聞録ペルソナの特徴
 1 パーティ構成
 メガテンではパーティは主人公とパートナー、そして仲魔4体で構成されていました。この「ペルソナ」では、悪魔は仲魔にはなりません。パーティは主人公と主人公のクラスメイト4人で構成されます。クラスメイト4人のうち3人(もしくは2人)はストーリー進行に伴って自動的にパーティに加わるのですが、残りの1人(もしくは2人)はプレイヤーが選ぶことができます。
 メンバーはそれぞれ個性的で、使える銃や剣、コンタクト内容、そしてペルソナとの相性も違います。誰を選ぶかによって多少難易度に変化がありますし、途中での会話の内容も変わってきます。また、ストーリーによっては共に行動することができないメンバーもいます。

 2 ペルソナ
 タイトルにもなっている"ペルソナ"。本来はラテン語で"仮面"を意味しますが、ここでは幾つもある自分の一側面で、それが悪魔や神の形をとっているものという解釈になっています。この"ペルソナ"のおかげで、今までいっさい魔法を使うことが出来なかった主人公も魔法を使うことができますし、"ペルソナ"のもつ特性によりある属性の攻撃を無効化したりダメージを半減したりの恩恵を受けることができます。(逆に、ある属性の攻撃にはまるっきり弱くなったりすることもあるのです。)
 この"ペルソナ"を使うためには、悪魔と会話して"スペルカード"なるものを入手し、それを集めてベルベットルームへ行き、カードを組み合わせて"ペルソナ"を召喚して降魔しなくてはなりません。召喚してすぐの"ペルソナ"は、魔法(もしくは特技)をひとつだけ所持しており、パラメータも低めなのですが、戦闘で何度も"ペルソナ"を呼んでいるうちに"ペルソナ"自体の熟練度が上がっていき、それに伴ってパラメータも上がり(それによって降魔したキャラクタのパラメータもあがります)、攻撃の方法も増えていくのです。どのメンバーにどの"ペルソナ"を降魔させるか、でゲームの難易度も変わってくるのです。

 3 ベルベットルーム
 いままでのメガテンシリーズでは、おなじみ「邪教の館」で仲魔を合体させて新しい仲魔をつくったり、合体剣を作ったりしていたのですが、今回の「ペルソナ」では仲魔はいないのですから「邪教の館」はありません。その代わり(かどうかは知りませんが)、「ベルベットルーム」という不思議な空間が存在します。
 前項でも触れましたが、この「ベルベットルーム」の最大の役目は悪魔からもらった"スペルカード"を組み合わせて新しい"ペルソナ"を召喚することです。"スペルカード"を2種類組み合わせるのですが、組み合わせた"スペルカード"の種類、召喚時の月齢とカードの召喚順序、召喚時に追加するアイテム(アイテムのなかには、ある特定の"ペルソナ"だけを召喚するものがあります。これを封神具と呼びます)などによって、召喚された"ペルソナ"のパラメータや所持魔法が変化したり、予定していたものとは異なる"ペルソナ"が召喚されることがあります。ごく稀ですが全く別の種族"FOOL"の"ペルソナ"が召喚されることもあります。
 召喚された"ペルソナ"はここ「ベルベットルーム」にストックされるので、使用時にはメンバー側にストックして降魔する必要があります。それもここで行います。(降魔は移動中や戦闘中にも可能です)また、メンバーのレベルがあがったことで不要となってしまった"ペルソナ"を帰還(消去)させるのも、「ベルベットルーム」で行います。ちなみに、熟練度が最大の8である"ペルソナ"を帰還させると、"ペルソナ"に応じてアイテムがもらえます(これが「ベルベットルーム」の主、イゴールの言うところの「いいこと」です)。この方法でしか手に入れられない貴重なアイテムもあります。

 4 戦闘画面
 「ペルソナ」の戦闘時の画面はクオータービューです。今までは悪魔の姿と魔法の効果グラフィックだけを見て戦闘をしていたのですが、今回は戦う主人公達の姿を見ることができるのです。そして、今回、戦闘の際に「距離」の概念が導入されました。主人公達はそれぞれ得意とする剣や銃があるのですが、それらには有効射程距離が設定されています。つまり、どんなに性能のいい武器を持っていたとしても、届かない場所から攻撃しても無意味だ、ということです。それぞれの武器を生かしたフォーメーションを考える必要があるのです。(とはいっても、バックアタックをされるといつものフォーメーションがそのまま後ろ向きになってしまうのですが。)

 5 悪魔との会話
 「ペルソナ」では、悪魔を仲魔にするためではなく、"スペルカード"を手に入れるために悪魔と会話をします。そして、主人公の担当だった会話は、主人公以外のメンバーでも可能となりました。それぞれが4つの個性的なコンタクトコマンドをもっていて、悪魔の性格(8種類の性格パターンから1〜3種類の組み合わせ)にあったものを選んで会話をすることができます。
 コンタクトの内容に対して、悪魔は"興味"、"怒り"、"喜び"、"恐怖"の4通りのリアクションを返します。そのいずれかの感情がMAXに達するとコンタクトは終了し、どの感情がMAXになったかによって"スペルカード"やアイテムがもらえたり、悪魔がステータス異常を起こしたりします。悪魔との会話は一部を除いて全ての悪魔と可能で、たとえ満月の時でも会話をすることができます。
 また、遭遇した悪魔とメンバーが降魔している"ペルソナ"によっては、悪魔とペルソナが勝手に会話をはじめることもあります。それによって"スペルカード"がもらえたり、強制的に戦闘になったりします。 

 6 悪魔の属性
 悪魔の属性といえばLOW‐NEUTRAL‐CHAOS、そしてLIGHT‐NEUTRAL‐DARKの2種類の軸がありました。「ペルソナ」ではこのような属性の軸はなく、新たな概念としてHOLYLIGHT、ELEMENTAL、PHYSICAL、EVELDARKの4種類の大属性があり、それぞれに4種類の小属性があります。この属性は今までのようにストーリーやパーティー構成に影響するものではなく、悪魔の特性や弱点をあらわします。
 また、悪魔の種族は今までと同様の名称が採用されていますが、"ペルソナ"に関してはタロットカードのアルカナ名が使われています。

 7 各種ステータス
 魔法や特殊攻撃を受けると、ダメージの他にさまざまなステータス異常を起こすことがあります。それは今までのシリーズと同様ですが、「ペルソナ」ではこの種類が増えてさらに重傷度が3段階に分かれています。ステータスの種類によっては軽いうちはなんとか戦うことができますが、重度になると一切の行動ができなくなったり、仲間に攻撃をしかけたりします。また、悪魔のステータス異常を引き起こす魔法だけでなく、仲間のステータスを異常にする魔法も存在します。
 
 8 魔法・特殊攻撃
 戦闘にはかかせない攻撃魔法や特殊攻撃。生き延びるために必要な治療魔法。今回、魔法にもいくつかの変更点があります。
 まず、攻撃魔法に効果範囲があることです。つまり、武器と同様にどんなに強力な魔法を持っていても、相手に届かなければ無意味なのです。そのため、強力な魔法を持つ"ペルソナ"を降魔していても、そのメンバーが後列だったりすると魔法を使うことが出来ず、"ペルソナ"の熟練度をあげることができないことも有り得るのです。
 そして、今までは魔法ごとに必要MPが決まっていて、同じ系統の魔法でも強力になればなるほど必要となるMPが多くなったのですが、「ペルソナ」では同一の"ペルソナ"の持つ魔法ならばMPの必要量は変わりません。要するにMPの必要量は"ペルソナ"ごとに決まっていて、"ペルソナ"のレベルが高くなればそれだけMPの必要量が多くなるのです。
 また、魔法にも細かい属性分けがされているので、今まで異常に悪魔との相性を考えた戦略が必要となります。他にも、新しい魔法や特殊攻撃も追加されています。

 9 経験値
 戦闘が終わると手に入るのがお金と経験値。そのうち、経験値は自分達と敵のレベルの差に応じた値となるのですが、この「ペルソナ」では、メンバーごとにもらえる経験値が異なります。その戦闘の際にどれだけ貢献したか、に応じて同じ敵を倒したとしても、もらえる経験値が異なってくるのです。また、経験値も2種類あります。主に直接攻撃により得られる、キャラクタのレベルアップにかかわる経験値と、主に"ペルソナ"を使うことで得られる、より高レベルの"ペルソナ"を使うための経験値です。そのため、各メンバーにどんな攻撃をさせるのかをよく考えていないと、パーティー内でレベルの差がついてしまって交渉に影響が出たり、なかなか高レベルの"ペルソナ"を召喚できなくて苦戦することになるのです。

● 総評
 長々と「ペルソナ」の特徴を挙げてみましたが、これはメガテンシリーズというよりも、新しいペルソナシリーズの1作目と捕らえた方がいいのかもしれません。(といいつつも、過去の作品のキャラが出てきたりもしますが)それだけたくさんの新要素をもった内容となっています。この新たな試みでペルソナシリーズの魅力が引き立ったといえますが、いろいろなところで操作しにくい点やわかりにくい点もあることは確かです。その点は次回作「罪」「罰」で改良されてペルソナのシステムを確立させています。
 また、学園ものという誰しもが経験したことのある(あるいは経験できる)シチュエーションに個性的なキャラクタは、プレイヤーが感情移入をしやすいというメリットがあります。それによって、「メガテンは知らないけどペルソナは知っている」 というユーザーも増えています。
 「ペルソナ」はパーティー構成や降魔する"ペルソナ"によって、ストーリーや難易度が変わります。シナリオはかなり長いのですが、何度でも遊べる要素をもっていますし、"ペルソナ"やパーティー構成に自分なりの思い入れを反映することもできます。これもこの「ペルソナ」の魅力かもしれません。

● 感想
 さて、この「ペルソナ」ですが、個人的には最初はとってもとっつきにくかったというのが正直なところです。取扱説明書や攻略本を読んでも、いまひとつシステムがわからなかったからです。「え〜い、もういいや。習うより慣れろ、だ〜!」と腹を決めて始めた、というと少し大げさですが。やってみると少しずつシステムが分かってくるのですが、それがちょうどゲームの中の主人公達が"ペルソナ"を知ってとまどいつつその力を使い、成長していく様とシンクロするので(これも少し大げさか?)、自然と主人公達に感情移入できてしまいました。それに、"ペルソナ"の成長とそれに伴うキャラクタの成長がまるで「育てゲー」のようで、そういうゲームが嫌いじゃない私のツボにはまりました。
 というと、手放しで誉めまくっているように見えますが、もちろん不満もあります。まず、セーブできるポイントが決められているうえ(しかも、少ない)、そこにいくためにはひたすら歩くしかないこと。つまり、トラエストやトラポートといった移動のための魔法やワープする手段が存在しないということです。確かに、主人公達は普通の(といっても"ペルソナ"を操りますが)高校生ですし、舞台となるのは現代の街ですから当たり前と言えば当たり前なのですが、限られた時間の中でゲームをしていたので、これはかなり堪えました。また、"ペルソナ"の召喚の際の細かい要素がわかりにくいというのもつらかったし、細かい経験値の設定のおかげか、パーティー内のレベル差にも悩まされました。そのせいか、これ以降の「罪」「罰」ではかなりこれらの点が改良されているような気がします。(ってことは、私だけじゃなかったんですね)
 とにかく、このキャラクタたちは続編ではないのですが「罪」「罰」にもちょこちょこ顔を出しています。もし、ペルソナシリーズにまた新作が出たとしたら、やっぱり彼らは元気な姿を見せてくれるのでしょうか?
文章:たれさん



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