● プレイした感想
199X年、人類の歴史は終わった。そして時は流れて…。
のっけから「You は shock」な感じで始まるのが、数あるメガテンシリーズの中でも最高傑作と評される「デジタル・デビル物語 女神転生U」。女神転生Uのシナリオ最大の特徴は『神と悪魔を、単なる善と悪の対立という二元論で断ち切らず、「神の正当性」の観念を打ち破った』(女神転生十年史 P.18 Cozy談 抜粋)点にあるだろう。
しかし結論として、女神Uは私の期待を超えるものではなかった。すでに真T・真Uを経験していた私にとって、女神Uはそれ程の衝撃を与えなかった。すべてが「真・女神転生TU(真シリーズ)のプロトタイプ」としてしか感じられなかったのである。唯一神に対する行動は真Uで、友との決別&死は真Tで経験済み。バアルがバエルとベルゼブブに引き裂かれたのも知っており、ストーリー分岐点のカエルの所も真Uのアスタロトをイシュタルにするイベント程度にしか感じられなかった。唯一神の顔など「よう!久しぶり」てなもんである。肝心のシナリオで衝撃がなかった、いや感じようもなかったのである。
だが、女神Uと真シリーズでは決定的な違いがある。それはその世界観の明るさである。真シリーズがダークな側面が強いのに対し、女神Uは爽快感さえ覚えるファンキーさ、一言で言えば「イカす」のである。例え、腕が食いちぎられようと、「サイバネアームで復活、俺ってカコイイ」的な不屈さ。第三シェルターから地上に出るあたりは「BGM:Explorer〜閉ざされた街〜」も手伝い、マシンガン片手(正確にはワルサーだけどね)に「オリャー、行くぜー」といった活発さが感じられる。また、ワキ役もかなり良い味を出しており、マユミちゃんなどし…しびれる……。台詞回しも格好良い。中でも「すずきしゃちょう」は恐怖を感じさせるキャラで、真Uのヘタレザインとは一緒にしないでもらいたいほどである。
女神Uを語る上で、いやメガテンを語る上で重要なのは「プレイした当時の年齢」だと思う。人生で最も多感な時期であろう中〜高時代に触れた作品に思い入れが強いと感じる。実際、真シリーズをやる前に女神Uに触れれば、真シリーズは女神Uの焼き直しにしか見えなかったかも知れない。絶対の正義はなく、正義とは相対的なものと感じる影響も女神Uから受けていたかも知れない。とりわけ懐古ファンは女神Uと真シリーズ(特に真T)にベスト作品が分かれる傾向がある。しかし結局のところ、「どちらが先か」その程度の差しかないように思われる。
ただ今回、私が改めて感じたことはFC時代の作品と言えど、その魅力は今も色褪せることなくあること。時代やプレイヤーに媚びない、挑戦的な、硬派なゲームが持つ麻薬のような陶酔感に、今が思春期の世代こそ触れてほしいと願うのである。
私は真Tがベスト作品だと思っている人間である。10年近くも真Vを待ち続け、出されたモノがあれで未だ反抗期。今となってはlawやchaosにそれ程重要性を感じていない。女神Uの良い点に悪魔がevilとgoodで分けられている点がある。真シリーズの属性にはある種の窮屈さが伴っていたので、こういったアバウトな分け方がいいと思う。真V、ハッカーズや、恐らくは葛葉ライドウも、悪魔という存在があまりにおざなりにされていないか。本来なら、彼らはもっともっと強力な存在である。「メガテンらしさ」というものがどういったものを指すかは、色々分かれると思う。しかし、私は神や魔王の巨大な思惑に振り回されるちっぽけな人間、そんな作品をやってみたい。悪魔中心の、各神話にリンクする、その中に息づく人間、それでいてどこかファンキーな、女神転生Uのような作品を切に望んでいるのである。
● このゲームのここが○×!
ここがマル!
○まず最初の「デビルバスター」がファンのツボをくすぐる。2Dなのはドラクエを意識?
○各パラメーターがMax35になり、キャラ・悪魔に個性が出るようになった。
○ガン装備・攻撃回数の判定など戦闘に幅が出た。
○当時〜現在まで考慮しても音楽がズバ抜けて良い。
○舞台は東京だが異質な世界、「北斗の拳」の世界のような感じ。
○唯一神が最終ボスだとは思うまい(当時を考慮して)。
○悪魔がevilとgoodで分けられている。
○ワキ役もいい味を出している ex)銀座の生首 おれのはなしをきいてくれ…
○精霊にちょっとした出番がある。
○毒・麻痺が邪教の館でなくともアイテムで回復できるようになった。
○全滅してもカロンに所持マッカ半分渡せば、最後に寄ったチェックマンから再スタートできる。
○ルシファー陛下が強さを見せ付けてくれる。ドリームキッスをタコ殴り。
○グラフィックが今の金子氏からは想像できない程、アメコミ調。それがまたよい。
○エンディングがさり気なくよい。
ここがペケ!
×ザコ悪魔の経験値があまりに少ない。前半が特にそう。
×回復魔法の回復量が気休め程度。ディアで7とかそんなもん。
×前半の東京編に比べ、後半の魔界編があっさりしすぎている。
×親友があまり語られる間もなく死亡。パートナーは魔女と選べてもいいんじゃない?
×武器や防具の買取値があまりに少ない。
×ミカエルやヴィシュヌが呪殺・石化・マヒ・毒など当たり前にくらう。
×敵の機敏さに比べ、仲魔の機敏さがなさすぎ。とろい。
×防具の魅力の重要性がイマイチ分からない。
×悪魔合体、ちょっとレベルが違うと精霊になってしまう。
×ウエノにチェックマンを置いておくべき。
● 関連書籍
・デジタル・デビル物語 女神転生U 必勝攻略法 双葉社
女神Tから引き続き使う双葉社の攻略本。やはりこの手のタイプが使いやすい。魔王のみ金子氏のイラストがある。
・デジタル・デビル物語 女神転生U 完全攻略本 徳間書店
武器や防具の説明が載ってないのが惜しい。これがあれば双葉社の攻略本に負けないだろう。ゲーム画面で台詞を喋っているシーンが比較的多く載せられているのが嬉しい。でも攻略本は双葉社のを使った方がいいよ。
・女神転生Uのすべて JICC出版局
成沢大輔著の攻略本に対して思うのだが、モノクロで読みづらい。悪魔も文のみでグラフィックがないので使いづらい。ただ、前半に金子氏の悪魔のイラストが載っており、その点は良い。また、最後の方のページの顔の小話がちょっとおもしろい。CMのことも画像のみチョロッと載っている。攻略本というより資料として使うべき。
・デジタル・デビル物語 メシアプロジェクト2036
持ってはいるが、実際に中身はまだやっていない。文庫本サイズなので古本屋を巡ってみると、意外にも見つかるかも。ファミコン冒険ゲームブック、双葉文庫です。
・女神転生十年史 アスペクト
メガテンを語る上で絶対に外せない本。数あるメガテン関連本でも最高の一冊。女神T〜デビサマまで、一切手抜きなしの史料本である。
● 音楽
・女神転生T・U 召喚盤・合体盤 ビクター音楽産業株式会社
これは伝説的なCD。私は特にアレンジ盤(合体盤)を良く聞いているが「本当にこれが1991年にファミコンの音源で作ったものなの?」と疑いたくなるくらいにデキが良い。アマゾンで今でも購入できることは大変な幸せなことだと思う。私はメガテンシリーズCDはそのほとんどを持っているが、間違いなくダントツで一番。というか他の映画・ゲーム・ドラマを含むサントラでもこれに勝る物があるとは思えない。ブックレットも当時のメガテン関係者の仕事っぷりが炸裂しており、特にその中の「女神転生の神々」を書かれた魔物使い:鈴木一也氏の文章など敬意を表してしまう。おもしろすぎる。ゲームをやってこれを買うのがベストであるが、それでなくとも充分に価値が分かる名曲揃いのCDである。
[ 私について ]
93年に「真・女神転生」をプレイ、ハマる。以後、メガテンシリーズは真V・NINEを除き全クリア(ラストバイブル・魔神TU・ロンド・デビチル等は除く)。好きな順番は「真T>女神T・if>女神U>真U>>その他」というSFCドット世代。つい最近、女神TUをヤフオクで入手しやってみた…。
2005/8/20
文章:きょういち さん
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