上級第1位 熾天使
セラフ seraph(seraphim)
神の愛を表し、赤い色と火で象徴される熾天使は、六枚の翼と四つの頭があり、二枚の翼で顔を覆い、二枚の翼で足を覆い、残る二枚で天を飛び交っていた。
一般的には優美なイメージがあるが、神の命を忠実に実行する者として、破壊神のごとき力をふるう天使もいる。
ミカエルがこの階級になる前はメタトロンもしくはサタン、カマエル、ナタナエル、ガブリエルの四人の大君主が熾天使を支配していた。
上級第2位 智天使
ケルプ cherub(cherubim)
ヘブライ語の複数形でケルビムという。「知識」「仲介者」の意味がある。
4本の足と4枚の翼、4つの頭を持ち、 グリフォンやスフィンクスに似た姿をしているといわれる。
足元にはソロネの車輪があり、戦車として天を駆け巡り、 神の御座を運んだりと活躍した。
また、エデンの園を護る為に、門を見張る天使でもある。
この階級の長はジョフイエルとされている。
上級第3位 座天使
ソロネ throne(s)
「神の王座を運ぶ尊厳と正義の天使」または「思考の支配者」とされている。
職務は神の決定の配剤を考えること。
青い四枚の翼を持ち、人、牛、鷲、獅子の四つの顔と四本の腕を持っており、胸にトパーズをつけている。 一対の車輪を持っており、ケルプに駆られる神の戦車であると言われている。この車輪は緑色に輝き、燃える炎のようであった。
この階級の長はザフキエルもしくはラファエルとされている。
中級第1位 主天使
ドミニオン domination(s)
新約聖書のヨハネの黙示録には神が人類に対し最後の審判を下した後、その滅亡劇である最終戦争の実行にあたり、天使とその軍団を差し向ける。
その際の天使の勤めを統率する役割を持つ。その名も「支配」を意味し、物質界に現れる神の権力と栄光を示す存在である。
この階級の長はザドキエル、ハシュマル、ヤリエル、ムリエルだと言われる。
中級第2位 力天使
ヴァーチャー virtue(s)
名は「高潔」「神の美徳」を意味する。体を持たない精霊であり、「光り輝く者」「輝かしき者」として知られる。 キリストの受難を表しており、それを象徴する赤い薔薇を持った姿で表されることが多い。キリストの昇天の際には、キリストの両側にふたりの力天使が付き添って、彼を天まで案内したという。
力天使は恩寵の天使であり、奇跡を起こして、人に天からの恵みを授けるという役目を持つ。
この階級の長はラファエル、ミカエル、ガブリエル、バリエル、タルシュシュで、ルシフェルの叛乱の前にはサタネルも名を連ねていた。
中級第3位 能天使
パワー power(s)
名は「神の力」を意味する。勝利の天使。武装した姿で天の通路を巡回し、悪魔の侵入に備えている。
悪魔に対抗すると能天使の重要な使命は、対立するものを調和させ、均衡させることである。バランスを保とうとするために、能天使は他の天使に比べてとりわけ善悪の間で揺れやすい。 また、悪魔等との戦闘の際は最前列で戦う。
そのため、堕天使になる可能性も高く、実際ルシフェルが叛乱を起こしたとき、最も多くの反逆者を出したのは能天使だった。 この階級の長はカマエルである。
下級第1位 権天使
プリンシパリティ principality(principalities)
権天使は個人よりも大きな単位の存在を守護する。
国家の運命を司る天使であったが、次第に支配する領域が広がってゆき、文明の盛衰や世界の歴史も権天使の司る範囲となった。
信仰の擁護者でもある。その性質上、善悪観に関して少々頑固な観念を持っている。
この階級の長はアナエル、ハミエル、カマエルなどだといわれる。
下級第2位 大天使
アークエンジェル arch angel(s)
大天使の重要な役目は、神の意志を使者として人に伝えることである。
天界における戦士でもあり、悪魔たちの軍勢と戦う際には、大天使らが天の軍勢を率いた。
旧来の階級分類では最高クラスの天使とされていたが、キリスト教が階級論を変更し、大天使は下級二位に位が下がった。そのため、大天使の階級は矛盾が多い。
最も有名な天使たちの、ミカエル、ウリエル、ラファエル、ガブリエルの4大天使は、本来この階級に属しているといわれる。
『黙示録』において、神の御前に立つ7天使も、この大天使である。 その7天使は前述の4大天使に加えて、いくつかの諸説がある。
この階級の長はミカエル。
下級第3位 天使
エンジェル angel(s)
「使者」を意味する。最も人間に近いところにいる天使。その姿も人間に近い。
天使の総数は301655722にものぼるといわれる。
彼らは人が一人生まれる時に必ず1人つくとされ、
個人個人の人間の生命に責任を持ち、罪のない人間や正しい者の守護を担う。
本来天使に性別はないが、守護天使となると守護している者と反対の性別の傾向を持つようになる。
この階級の長はガブリエル。
キリスト教では最も偉大な天使とされる。
ミカエルとは「神のごとき者」「神に似たる者は誰か」という意味。神が最初に作った天使。
太陽の化身。シンボルは「鞘から抜かれた剣」と「天秤」。
大天使を束ねる天使長であり、高潔、公正の守護者。ミカエルは、天使の軍団を率いる指導者として、天使の1/3を引き連れ、敵であるサタン=ルシファーと戦い、激しい一騎討ちの末、サタンを打ち破る。
「ヨハネの黙示録」によれば、そこなしの淵の鍵と大きな鎖を手に持って天より下り、サタンである古き蛇=ドラゴンを捕え、1000年の間封印した。
戦いの後は、その功績を認められ、上級第一位である熾天使「セラフ」に昇進したといわれる。
また、ミカエルはサタンと双子の兄弟であるともいわれており、見分けがつかないほど似ているという。彼のもう一つの重要な役割は、終末の日にラッパを吹き鳴らすとともに、最後の審判の天使として、人間の魂を天秤に掛け、天国へと導くかどうかの審判を下すことである。
「神の英雄」という意味の名を持つガブリエルは中性的な天使の中でも、 唯一の女性と言われており、百合の花をシンボルとしている。
彼女は「受胎告知の天使」「復活の天使」「慈悲の天使」「復讐の天使」「死の天使」「黙示の天使」「真理の天使」「エデンの園の統治者」「神の意志を伝える使者」そして天国の町の広報係など、さまざまな役割を持っている。
マリアに、キリストの受胎を告知した天使として有名。世界の終末が訪れる時には、眠れる使者を起こすべく、ラッパを吹き鳴らす。
タロットカード20番目の 「最後の審判」で、ラッパを吹いている姿が描かれている。
四大天使に数えられる内のひとり。最も慈愛に満ち、穏やかで明朗快活な性格。
力天使を支配し、風の属性を持つ。
ラファエルとは癒しの天使、もしくは神の薬と言う意味で、医学に造詣が深い。「人間の霊魂を見守る者」「医者」「外科医」「太陽の統治者」「知識を司る者」「生命の樹の守護者」などの称号や異名を持っている。熾天使としての6枚の翼を備え、その階級を持っているが、天使学によれば力天使という説が一般的である。しかし同時に智天使、主天使、力天使にも属し、古くは大天使であった。
宗教絵画のなかに登場するラファエルは、天使たちのなかでも最も感情を表に出す、快活で明るい存在として描かれている。
これは、彼が人間に対して行ってきた友好的助力が、ラファエルを他の天使達に比べて身近な存在と人間に認識させてきた結果なのかもしれない。 盲目のトビトを治療し、アブラハムの割礼による痛みを癒し、天使と格闘して傷ついたヤコブの足を治したりなど、ラファエルが人間を助けた逸話は実に多く残されている。
ウリエルとは「神の火」を意味する。
暦の秩序立てや、気象のバランスを監督し、地震や嵐、火山の噴火といった自然現象を司る。また、太陽の監視役という使命も持っている。タルタロス(地獄)を支配する。
地獄でのウリエルは閻魔大王さながらに、 汚れた魂をさんざん拷問で苦しめ、法に関してひどく厳しい天使であったと言われる。 最後の審判の時には、地獄の門の閂を折り、地上に投げ付けて破壊し、 地獄から死者の魂を地上に導き出すという役割を持っている。「エノク書」で、ウリエルは、エノクにさまざまな啓発を与えた天使として説明され、エノクはウリエルや神に並ぶほどの知識を会得した。
後にエノクはメタトロンに生まれ変わる。いわば、ウリエルはメタトロンの師匠であるが、それとは対照的に、ウリエルは最初に人間になった天使である。