●天使は繁殖するか?



あび > さて、天使の定義に続いていきます

’天使は繁殖するか?’ どう考えます?

私はすると考えております。
旧約にて、産めよ増やせよ〜に満てよ、は他種の創造物に言われており、唯一神の基本方針と思われる為
また、アダムを神に似せて作ったのに、天使は両性具有とされる為
(繁殖以外に意義あるのか?ってことです、但し唯一神=男性型は怪しい部分もあります)
s・バレット > ど〜なんですかねえ?私は天使は繁殖せんと思います。
ま、これは己が勝手に思っていることですが。
天使は生物というカテゴリーに入る存在ではない、と。
宇宙に流れるエネルギーが一時的に具現化したのが天使だと面白いなあと思っています。天使は、海面に起こった波のような、個別と全体の区別が生物よりも曖昧な存在なのではないかと。

そう思っているので私にとって天使の生物としての繁殖はナンセンスです。
なんだかの本に「天使は地上の物質の影響を受けて肉の体を持つ」に書いてあったし。天使にとって肉体は後天的なものですからね。キリスト教じゃあ肉体は魂の檻みたいに考えられて、否定すべきものみたいだし、神の代理人である天使が「肉体の存在を前提とする繁殖」をすることはないでしょう。関係持っちゃったら堕天使ですしね。グリゴリの天使って人間の女と関係持って、堕天してますしねえ。
あび >たしかに、するともしないとも明記されていないので、各人がどう思っているかです
’繁殖’という語を使いましたが、生物的に限らず、母体の影響を受けつつ増えると捉えてほしいと思います

>グリゴリの天使って人間の女と関係持って、堕天してますしねえ
エノク書のグリゴリの罪は、’人間と結婚してはならない’という禁を破って
人間と婚ったゆえの堕天だったと思いました
7つの大罪は人間にも罪ですが、人間は繁殖しています
神に認められた結婚以外の関係を否定するという感触です
’メタトロン兄弟’なんてのが言われるのも、裏に繁殖するからと考えることができます

あと、16世紀(天使学が確立した頃)ミルトンの失楽園にて堕天時の記述がありますが、
エジプトの親子神が堕天されています(彼らが天使の時は?)
バアルとアシュタロスは男女のペアになってるし
ただ、失楽園は、悪魔をも唯一神が作ったという事が意図されていると思いますので、
全て採用するのは苦しいですが(ルシファー=サタンだし)

まとめてしまうと、天使界を想定するにあたって(古人が)人間界を雛形にせざるを得なかった為、
繁殖するとした方が整合性があるのではないかと思っています
s・バレット > >生物的に限らず、母体の影響を受けつつ増えると捉えてほしいと思います

肉体、ということに固執しすぎたか、私は?物質なくして個の存在はないと思っている私なので、有性生殖にしろ無性生殖にしろ天使が本質的に肉ではないのなら「繁殖」はなりたたない、と感じてしまいますね。だから、母体というものも存在しない。

では、グリゴリの天使はどうして人間の女との間に子を設ける事が出来たか……。実はこの子供、肉体的な関係を以って産まれた存在ではないのです。

知られているとおり、生まれた子供はことごとくちょいとヤバメな巨人ばかりでしたが、巨人は実は、グリゴリが造り出したスーパーロボットだったのです!天界からの侵略の尖兵として送り込まれたグリゴリたちは、しかし現地人と結託する道を選び離反、天界に抗するために人間達と協力して超兵器を密かに開発していたのです。天使の超技術と人間の労働力の結合が、「結婚」という暗喩でもってあらわされているのですねえ……

という妄想。



>’メタトロン兄弟’なんてのが言われるのも、裏に繁殖するからと考えるこ
>とができます

メタトロン兄弟、ドラえもんとドラミのような関係だかも。
あび > >>生物的に限らず、母体の影響を受けつつ増えると捉えてほしいと思います
例としてコンピューターウイルスなどいかがでしょう

私の天使の定義に関わりますが
天使=メッセージ
メッセージ×メッセージから新たなメッセージが生まれる(言葉としたほうがいいか)
なんて考えるときれいでいいなー、とか思ってたりします

>メタトロン兄弟、ドラえもんとドラミのような関係だかも
たしかに、明示されていないことなので、なんとでもいえるんですよね

あと、天使が天から落ちて人になったという話もみた覚えがあります(どこかのHP)
古人は天使界に関しては結構適当だったと思います
ゆえに色々な解釈をする面白味があるのですが
s・バレット > >古人は天使界に関しては結構適当だったと思います
>ゆえに色々な解釈をする面白味があるのですが

適当っつーか、時代や地域によって相違がでてくるのは当然ですわな。それを力技で無理矢理一元化するのは、楽しい事は楽しいっすね。特に理屈バカにとっては。


>メッセージ×メッセージから新たなメッセージが生まれる

上手いこと言うね、とも思いましたが、私の妄想と根幹で異なる点がここなんでしょうね。私の妄想では天使は、プラトンいうところのイデアのような形而上の真性の世界の産物です。あびさんの言う「新たなメッセージ」すら、我々の宇宙に生み出だされる以前に真性の世界に用意されている。天使は「存在」ではなく、宇宙のあらゆる法則のことである、というちょいとわけのわからんことを考えています、私。

まあ、これは「私が振興宗教の教祖になったら教義にしてやるんだ」的天使観ですから。歴史的な事実とか、ウンタラ教の聖典とかには、直接的にはまったく関係のない、私だけの天使観です。してみると「教義を弄ぶ」っつー主旨にはだいぶ反してますわな……

次回、史学者の端くれとして、きちんとした史料を根拠に「天使は繁殖するか、否か?」を考えてみたいと思います。史料といっても、孫引きばっかだろうけど……
あび > この話、表BBSで’天使×堕天使の子供はいるか?’というのを膨らませて考えてみました
展開としては、天使の繁殖についておちついたら、堕天使に持っていくつもりです
(生まれたものは何なの?とか)
資料参照の際、そちらも考えていただければありがたいです
s・バレット > >あびさん
ど〜も、まだまだ私の結論は出ない模様。
先に堕天使の方、問題提起しててください。
私は、皆さんの意見を聞いた後、うだうだ言わせていただきます。
s・バレット > なんとなく分かってきた気がしますね。天使は繁殖するか、否か。

カトリックの教義では天使の数は天地創造の時に決められ、以後変化しない、となっているようです。三位一体論を展開した聖アウグスティヌス(354−430)が述べるには「(天使の創造は)『初めに、神は天地を創造された』と述べられる時の『天』の名のもとに必然的に含まれる」のであり、以後の多くの思想では天使を第一日目に神が創造し、その数は不変、と述べられています。カトリックの伝統では現代においても、天使の数は創造より不変のようですね。天使の創造の日については創造の第一日目とする見解以外に、第二日目か第五日目、あるいはその両方において、とされることもあるそうです。ちなみに『創世紀』における生命の創造は第五日目が最初です。と、いうことは天使が厳密に生命の範囲内にあてはまるか否かは微妙な所であり、故に「産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。」の神の言葉を以って「天使は繁殖する」とするあびさんの見解も、論理上ヒジョーに微妙な見解であると思われます。

ところで、カトリックの教義では「天使は繁殖しない」ということになってはいますが、確かに「天使の数は不変ではない」とする見解も確かにあります。例えばカバラにおける『ゾハール(光輝の書)』には、第二日目に造られた六億人の天使の他に、その他の目的でその他の日にも造られた、とあります。さらに、タルムード(ユダヤ教の口承による律法)学者は、毎日新たな一群の天使が造られ、神を賛美し、それからまた炎の大河に沈んで行く、と、天使の不死性を否定する見解をも示します。なかなか極めつけなのはオリゲネス(3世紀初頭)の言。天使は「ハエのように増える」らしい。神秘主義的傾向を持つオリゲネス主義は六世紀には異端に認定されています。

近世以降の天使に対する見解にも天使が繁殖すると考えられている節があります。と、いうのは、「結婚する天使」「性欲を賛美する天使」などが見られるのです。有名所では『失楽園』。ラファエルがアダムとイブに対し天使の結合について語っています。または、スヴェーデンボリ(1688−1772)は天国において親しく交わった天使たちが結婚し、家庭を築いている様を描いています。近世〜現代における天使は人間臭い。


このように、天使については種々の議論がなされています。このような様をみてゆくうち、どうも見えてきたものがありました。それは、キリスト教に課され続けた問題、ヘブライイズムとヘレニズムの融合です。

天使を「ハエの様に増える」と述べたオリゲネスが生きた時代、ヘブライイズムはヘレニズムと以下に融合するか、あぐねていた時期です。パウロが性愛を拒否し、大地母神信仰に敵対したとはいえ、ローマ・カトリックの権威も「異端」処理もまだなく、教義自体混沌としていました。そして、このころの信仰では、神は中世ほど「知」「理性」的な側面を持っていない。知性が中世ほど重視されていないような気がするのです。ユダヤ教的な物理的な絶対者、それが神だった。そういった未だ物理的な神観は、黙示録の「怒りの神」、物理的な世界の破壊者としての側面にあらわれています。この時代の一神教徒はあびさんの意見通り、比較的「天を地上の生活の延長線上」に捕らえていた。そんな彼らにとって天使は少なくとも物質的でありやすく、その数は増減してもおかしくないものだったのではないでしょうか。

4世紀後半〜五世紀初頭にかけていきた聖アウグスティヌスにおいて、キリスト教とギリシア的要素は一応の結合を見ました。ゲルマン民族移動にともなうローマ伝統派からのキリスト教批判や秘蹟を巡るドナティストとの論争において、彼がギリシア哲学の論理を持って弁明を行ったのです。彼の論理の底にあるのはプラトン的な要素です。ここに至って恐らく、キリスト教は「知」を単なる知識や智恵以上に神聖視し始めました。ギリシア哲学においての「知」の世界は、動的なものではなく、静態的な「永遠」です。ギリシア哲学における永遠は単なる現実の時間の延長線上にあるものではありません。そして、神はこの意味での「永遠」となる。キリスト教はギリシア哲学をもって神を語り始めた時、天使は「優れた生物」であることをやめ、完全に知的な、そして静態的な存在へと変貌をとげたのでしょう。

中世の神観はアウグスティヌスの延長上にあると思われます。その神観の転機、というよりも、神観の相対化が行われたのがルネサンスの根っこ。ルネサンス、ギリシアの神々が復活します。これはつまり、肉体賛美の復活でした。それはカトリックの掌の上で黙認されていただけのものではありましたが、しかし、絶対王政が幅を利かせるようになりカトリックの力が弱まっていたのは確かです。ルネサンス以降、天使は生物的なものへ再び変化を遂げて行きました(カトリック以上に厳格なプロテスタントは神のみを信望し、天使を重要視していません)。そのことは、芸術作品にあらわれています。13世紀までは天使は芸術作品において常に男性として描かれていたのに、16世紀には女性的にも描かれるようになり、そして両性具有へと変化して行くのです。

いい加減に論じてしまいましたが、歴史的に見た場合、天使は古代においては繁殖してもおかしくなく、中世には繁殖しない、ルネサンス以降は古代へと帰って行った、と見ることが出来ました。そして、その影には、キリスト教社会のヘレニズムに対する態度がありました。考えてみれば、私が「天使は繁殖しない」と考える思想的基盤にあったのも、ピュタゴラスでした。

もしかしたら、天使の変遷は、常に教条的な存在である神そのものに対する見方の変遷よりも、敏感に時代性を反映しているのではないでしょうか。

読みにくい上に筋の見えにくい文章ですみません。私も「とっかかりを掴んだかな」くらいの理解度ですんで……
あび > >カトリックの教義では「天使は繁殖しない」
トマス・アクィナス「神学大全」?(13C)
由来が分れば教えて下さい

現代にどういうのが整合的か?
という事を問いたいと思っております
後は年明け(時間が無い、すまん)
s・バレット >>カトリックの教義では「天使は繁殖しない」
>トマス・アクィナス「神学大全」?(13C)
>由来が分れば教えて下さい

あー、ちょいとミス。「天使は繁殖しない」って一文は引用ではない。
アウグスティヌス以降、「天使は天地創造の時に造られて、以降、その数は変化しない」という説がカトリックの主流らしい。
そこから導き出した結論が「天使は繁殖しない」。

で、アウグスティヌスが、どこでそういうことを言ったのかは……
ちょいとわからない。『神国論』か……『三一神論』か……はたまた『告白』か。
近いうち、図書館行って調べてみま。

s・バレット 調べてきました。結局、わかりませんでした…… いい加減でごめんなさい。


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